この写真は先日の台風17号の後の石垣島、宮良湾の様子です。
手前の内海が茶色になっているのがおわかりでしょうか。
これは宮良川の上流から赤土が海へと流され、
海がこのような色になってしまっているのです。
宮良川の上流には山があります。
高度成長期に農業開発でその山が切り開かれ、広大な畑が作られました。
すると、雨が降ったときに、本来ならば木の根が
土砂が流されるのを防いでいたのですが、
伐採によってその木がなくなってしまいました。
その大量の赤土(土砂)は宮良川を流れ宮良湾へと運ばれます。
赤土がかぶった珊瑚は光合成ができなくなり、やがて骨だけを残して死んでゆきます。
珊瑚が死んでしまえば、そこに住む魚もいなくなってしまいます。
昔の宮良湾には珊瑚礁や魚、貝がたくさんいたのですが、
赤土の影響により年々それらの数が減っています。
人間が住むには開発も必要です。
でも隣にはもっとたくさんの動物や植物も一緒に生きています。
開発と自然保護、その折り合いのつけ方が問われ続けています。
先月浅瀬で見た枝サンゴやカクレクマノミの親子は無事に生きているのでしょうか。